.《産業の特質》

・地球環境にやさしい商品

・機械の重要要素

・多岐にわたる需要分野

・精密商品

・技術進歩への重要な要素

・生活密着製品

・国際規格商品・国境のない産業









.地球環境にやさしい商品  ベアリングは、回転部分の摩擦を大きく低減させ、力やエネルギーロスをほとんど生ずることなく伝えることができ、さまざまな製品の省エネルギーに大きく貢献しています。
 また、ベアリング自体の製造についても、原料となる鋼材は、大部分がスクラップからのリサイクル材であり、さらに製造工程から出る廃棄物のリサイクル率の向上(2020年における目標は96%)に努力しています。

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機械の重要要素
 ベアリングは、機械類の中枢的な部分である回転部分に使用されて、ベアリングの寸法精度、重量及び性能は機械全体の機能を左右する極めて重要な要素となっています。
 こうしたことから、ベアリング産業は、製品の機能や需要構造の面からは、いわゆる部品産業の特性をもっているものの、歴史的、経済的には機械工業の中の専門的な独立した産業の地位を占めてきている点でユニークな産業といえます。
 例えば自動車で使われている主な箇所を次の図に示します。



             

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多岐にわたる需要分野
 ベアリングは洗濯機などの身近な製品から宇宙ロケットなどの最先端のものまであらゆるものに使用され、また、製品の大きさが小は数ミリから大は10メートル以上まであり、製品の種類は、2万種ともいわれています。
 また、自動車産業などで使用されるような大量生産品目向けのものと、工作機械等比較的ベアリング使用量の少ない産業向けの多様で小ロットの製品があります。ベアリングの全生産量のうち約80%が前者に向けられ、自動車、モーター、農業機械等に使用されています。しかし、これらは、品種数では全体の約10%に過ぎません。後者の多様な小ロット製品は、生産量では全体の約20%を占めているだけですが、品種数では全体の約90%にもなります。

 

             需要部門別受注実績構成比(2022年度)
                (内閣府 機械受注統計)
                                   






パソコンのHDDなどに使用され
ているミニアチュア玉軸受


トンネル掘削機に使われている超大形軸受




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精密商品

 機械の性能や安全性を左右する性格上、ベアリングには高い精度、信頼性、耐久性と同時に静粛性・低振動性を伴った高速回転性能が求められます。ベアリングの精度は、今やサブミクロン(1万分の1ミリ)レベルに達しています。






       
        
                  3次元形状測定


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技術進歩への重要な要素  全般的な技術的進歩を支えるために、メカニカルエンジニアリングの進展は近年目覚ましいものがあり、それに伴ってベアリングの性能に対する要求もますます厳しくなっております。
製造・加工技術、製品設計のどちらにおいても、先端技術の開発努力が必要となっています。



      研究開発センターの内部撮影写真


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生活密着製品  ベアリングは一般的にユーザーには見えないところに使われていますが、それにもかかわらず私たちの日常生活に欠かせない役割を演じています。機械のあらゆる回転部分で用いられ、ベアリングは不可欠な製品となっています。






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国際規格商品・国境のない産業

 産業の発展過程の中でかなり早くから、ベアリングメーカーは工業規格の発展に熱心でした。近年では、国際標準化機構(ISO)との協力による規格の国際的統一が世界のユーザーの利便性を向上させ、メーカーの生産効率を高める効果をもたらしています。
 また、世界的な需要と高品質の製品への共通の要求がベアリング産業を国境のない世界につくり上げてきました。ベアリング産業は、大口ユーザー産業にはるかに先駆けて、輸出・海外生産の面でのパイオニア産業の1つとなりました。


 略号の説明
ISO/TC4    − 国際標準化機構/転がり軸受専門委員会(International Organization for Standardization/Technical Committee 4)
JISC 日本 日本工業標準調査会
(Japanese Industrial Standards Committee)
AFNOR フランス

フランス規格協会
(Association francaise de Normalisation)

ANSI USA アメリカ規格協会
(American National Standards Institute)
BSI イギリス

英国規格協会(British Standards Institution)

CSBTS 中国

中華人民共和国規格協会
(China State Bureau of Technical Supervision)

DIN ドイツ

ドイツ規格協会
(Deutsches Institut fuer Normung)

GOST R ロシア

ロシア閣僚会議国家標準委員会
(State Committee of Russian Federation for Standardization and Metrology)

SIS スウェーデン

スウェーデン規格協会
(Swedish Standards Institute)


  
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